こんにちは。
「新しい学校のリーダーズ」の「オトナブルー」が「TikTok上半期トレンド大賞2023」に輝きました。
「オトナブルー」はyonkeyの作曲で、ノスタルジックな昭和感にあふれる曲です。
実は、2016年にバズった逃げ恥の「恋ダンス」と同じく、この曲にも、ヨナ抜き音階のメロディーがふんだんに使われていて、それがバズった原因の一つと考えられていますので、ちょっと深掘りしてみます。
「オトナブルー」Tiktokトレンド大賞2023
引用元: Natalie.mu
「オトナブルー」は、「新しい学校のリーダーズ」の2020年5月に配信限定シングルとしてリリースされました。
「新しい学校のリーダーズ」のプロフィールはこちらをどうぞ⇓
2023年になってから、「オトナブルー」のサビの首振りダンスを真似する人が急増してバズりまくり「Tiktokトレンド大賞2023」で大賞を受賞しました。
歌詞は、「新しい学校のリーダーズ」のメンバーが担当しています。
昭和っぽいノスタルジック路線を売り物にしているので、まず「オトナブルー」の歌詞は
わかってる、ほしいんでしょ?
などと挑発的で、昭和の歌姫、山口ももえのさんの「プレイバック Part2」のサビのところの歌詞
バカにしないでよ、そっちのせいよ。
や、山本リンダさんの
「どうにも止まらない」
などの挑発的な「昭和のかっこいい女」的なテキストですよね!
ヨナ抜き音階とは?
引用元: Natalie.mu
「オトナブルー」の作曲は、yonkeyが担当しています。
日本で俗にいう
ヨナ抜き音階
とは、
ペンタトニック = 5音階
のことです。
5音階ってなにかというと、
普通に学校で習う西洋の長音階や短音階から、4番目と7番目の音を抜いた音階のことです。
例えば
「ドレミファソラシ(ド)」というハ長調の音階から、4番目の音(ヨ)と7番目の音(ナ)を抜くと、
「ドレミソラ(ド)」という5音の音階ができます。
その音階のことを「ヨナ抜き長音階」と言います。
この音だけで、メロディーを作ると、中国民謡やベトナム民謡のような響きになります。
それと同じく、今度は
イ短調の自然短音階「ラシドレミファソラ」から、4番目と7番目の音を抜くと、
「ラシドミファ(ラ)」という5音の音階ができます。
その音階のことを「ヨナ抜き短音階」と言います。
この音だけで、メロディーを作ると、日本民謡の響きになります。
なぜ「ヨナ抜き短音階」はバズるのか
引用元: billboard-japan.com
2016年に新垣結衣さんと星野源さんが主演のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の「恋ダンス」がバズりましたよね。
その曲のサビの部分のメロディーには、2回だけ音階の7番目の「ナ」の音が出てきますが、それ以外のすべての音は「ヨナ抜き長音階」から成り立っています。
アジアの民謡は、ほとんどが「ヨナ抜き音階」です。
つまり、「ヨナ抜き音階」は、アジア人ののルーツみたいなものです。
まあ、正確に言えば、ルーツではありませんが、でも、なんか、民謡や、演歌を聴くと、魂が共感するような感覚に襲われることありませんか?
日本人は、基本的に「ヨナ抜き短音階」をきくと心が震えるみたいです。
だからこそ、日本人の心に訴える「ヨナ抜き短音階」のメロディーと、この昭和っぽい歌詞のコラボで誕生した「オトナブルー」は、変な女子高校生の格好をした女性グループの歌唱力や、パフォーマンス力も合い重なって、バズったのでしょう。
もう一歩踏み込むと、アジアの中でも、日本人は、どちらかというと、明るい響きの「ヨナ抜き長音階」のメロディーよりも、「ヨナ抜き音階」のメロディーを昔から好んでいました。
民謡や演歌にも暗めの「ヨナ抜き短音階」が多いです。
だからこそ、「オトナブルー」にも、「ヨナ抜き短音階」のメロディーがふんだんに使われたのでしょう。
ノスタルジックな昭和の感じを出すには、うってつけですね!それがこの曲がバズった、大きな原因の一つでしょう。
「ヨナ抜き短音階」のメロディーは、日本人のソウルミュージックなわけです。
ブルースと「ヨナ抜き音階」の化学反応
引用元: asobisystem.com
でも、「オトナブルー」は、何の「パクリ」でもないと、はっきりと言えます。
演歌っぽい「ヨナ抜き短音階」とジャズのブルーノートを巧みにフュージョンさせているからです。
日本人の魂とも言える「ヨナ抜き短音階」のメロディーが随所に見られる、演歌の数々。
そして、黒人が、奴隷時代に、その自分の人生の切なさを歌ったブルース。
それだけではありません。サビの部分は普通にJ-POPっぽくなっています。
つまり、「オトナブルー」には、
こちらもどうぞ⇓
おわりに
先日、Z世代の女性から聞いたのですが、Z世代が、昭和のレトロを好むのは、karasuが若かった頃のファッションや音楽が、回り回って、今の時代で、新鮮に感じられるから、ってことらしいです。
よくわかりませんが、でも、どことなく、共通の話題ができたみたいな気持ちがします。